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2024-07-02 更新

No 626 インドのダラビスラムからのレポート

アジア最大のスラムと呼ばれるインドのダラビスラムを視察してきましたので、レポートさせて頂きます。

映画「スラムドッグミリオネア」のロケ地としても有名なダラビスラムのあるムンバイは、インド第2の都市で、インド最大の金融街です。別名、インドのウォール街とも呼ばれます。

ムンバイには、世界一の大豪邸と言われる大富豪の家(ビル)があります。その大豪邸から、ほんの10分ほどの位置に、アジア最大と言われるダラビスラムがあります。

ダラビスラムは、色々な意味で、アフリカのスラムや東南アジアのスラムと異なります。
一番異なると感じたのは、インドの発展を支えてきたヒンズー教の定義するカースト制度を、うまく経済に溶け込ませている点です。

法律上は、国教やカースト制度はありませんが、現在もインド経済の屋台骨を支えているようです。

目覚ましい発展を遂げるインドにある、世界で一番と言っても良い大きな貧富の差を体感してきました。

インド アジア最大のダラビスラム vol.1 ダラビスラムとは ( 256 )



インドのダラビスラム 工場エリアの入り口付近です

写真 : インドのダラビスラム 工場エリアの入り口付近です



インドのムンバイにあるアジア最大と言われるダラビスラムを訪れました。

ダラビスラムは、インドの金融都市ムンバイにあります。
ムンバイはインド最大の商業都市で、約 2,000万人の人が住み、デリーに次ぎインド第2の大都市です。

ダラビは、約2.5km2 のエリアですが、約100万人の人が住んでいると言われています。スラムではありますが、とても経済活動が活発で、プラスティック再生、衣料品製造、陶器の製造、食品製造などを行う小さな工場が点在するのが特徴です。

スラムの中は、工場エリア、住居エリアなどに分かれています。

工場エリアでは、1つの製品ができるまでの工程により、職人と工場が細かく分業されています。行っている事業ごとに、エリアが分かれています。今回は、プラスティック再生の過程、陶器製造工場、石鹸製造工場などを見せて頂きました。

基本的に工場エリアでは男性のみが働いており女性の姿は見かけません。1つの工場には、数人の職人たちがおり、それぞれの工程の仕事を行っています。彼らは、毎日12時間?30日の労働をこなしており、工場で寝泊まりしています。日曜日の午後が休みなので、家族に会えるのは、日曜日の午後など限られた時間になります。

最も単純な労働を行う人々は、日当300ルピー( 約500円 )で働いています。技術を積み製品に近い仕事ができるようになると賃金は上がり500-600ルピー ( 約850円 - 1000円 )をもらえます。

安い賃金ですが、食事と宿泊代は無料なので、お金を貯める事ができます。ためたお金は、家族への仕送りや、生活費に消えます。自分の将来の事業への貯金にしている人もおり、ダラビの中でも良いエリアに引っ越したり、外に出て周辺で商店などをやる人もいますが、少数派です。

基本的に同じ作業をずっと繰り返すため、例えばプラスティック仕分けの工場に入ると、上流のビニール生地製造などの仕事は覚える事ができず、技術を手に就ける事はできず、抜け出る事もできません。一生をダラビで終える人も沢山います。

住居エリアは、イスラム教の人々の住むエリア、ヒンドゥー教の人々の住むエリアなどに細分化されています。女性や子供の姿は、ここで見る事ができます。学校などもあります。

ダラビに住む多くの人々は、教育に懐疑的です。勉強しても、勉強したことを活かせる仕事は無い。多くの人は、ダラビの中で働くのだから、勉強するよりも、仕事を覚えた方が良い。と考える人が多いためです。インドでは、カースト制度が強く残っているため、生まれたカーストにより仕事が決まっていることが多いです。そのため、このような考え方が多くなります。

インドは今や、14億人の人口を抱える経済大国ですが、貧富の差が本当に激しい国です。IT・金融などで、カーストを抜け出し、経済成長に乗り富裕層になる人々も多く出る一方で、大都市のすぐ脇のスラムや、地方都市などでは、貧しい人々は多く存在します。

インドの経済成長にとって、14億の人口というのはとても大きいのだと思います。14人に1人の成功でも、1億人の成功者を生むためです。背後に13億の貧困があったとして、国は発展し成長して行きます。

その縮図が、大都市ムンバイのダラビスラムに詰まっているのだと感じました。


インド アジア最大のダラビスラム vol.2 プラスティック再生ストーリー ( 257 )



インドのダラビスラムの風景

写真 : インドのダラビスラムの風景



ダラビスラムでは、数名の従業員が働く小さな工場が数多くあり、多くの人々が働いています。

その中でも一番産業として大きいのが、プラスティックの再生に関わる仕事です。ちなみに、2番目が衣料関連の仕事だそうです。

プラスティックと言っても、色々な種類があります。ペットボトル、ビニール袋、家電製品の筐体、おもちゃ、その他様々な種類のプラスティックなどなど。

今回は、このプラスティックの再生の仕事の1つをレポートします。

1)まず、これらのプラスティックを集めてきて、色別に分けます。
2)次に、色別に分けたプラスティックを、機械で粉々にして粉末状にします。
3)粉末状にしたプラスティックを溶かして、シート状にして生地にします。
4)生地になったプラスティックを縫製して、レインコートに仕上げます。


このように、細かい工程に分かれていますが、それぞれの工程毎に工場があり、従事している人がいます。

職能ごとに給料は異なり、例えば、プラスティックを仕分ける簡単な工程の場合、日当で300ルピーほどが相場です。1日に12時間くらいは働きます。日曜日に半日休む以外は、基本的に休みはなく、毎日働くそうです。

縫製など、技術の必要な仕事になると、500-600ルピーに給与が上がります。

写真の工場で働いている人々は、その工場の2階などに住み込んでいます。家賃と1日2度のご飯代は、オーナーが支払うので、贅沢をしなければ、工賃のほとんどをためる事ができます。

貯めた賃金は、別の場所に住んでいる家族に渡したり、自分の仕事の準備金として貯金したりする人が多いそうです。

低賃金、重労働で、衛生環境も良くない仕事ですが、インドの産業はこのような人々に支えられているのが事実です。


インド ムンバイ ドーピーガードとカースト制度 ( 259 )



インドのドーピーガード 多くの店舗兼住居が密集しています

写真 : インドのドーピーガード 多くの店舗兼住居が密集しています



インドのドーピーガードを視察して来ました。

ここは世界最大の屋外洗濯場(ランドリー)です。
約3000人の人々が、洗濯を生業として、暮らしています。

昔ながらの手作業での洗濯がメインですが、近隣のホテルや企業などから、個々の生活を賄えるくらいの仕事が来ているそうです。

インドは、カースト制度が厳しく残っており、洗濯をする人々は代々洗濯をする仕事を選びます。

超高層ビルのすぐ脇で、昔ながらの手洗いの仕事が、これだけ大きな規模で残っている事はとても興味深いです。

ここは、スラムではないのですが、構造的にはダラビスラムなどと、とても似ています。




■ 関連情報

・ 256 インド アジア最大のダラビスラム vol.1 ダラビスラムとは

・ 257 インド アジア最大のダラビスラム vol.2 プラスティック再生ストーリー

・ 259 インド アジア最大のダラビスラム vol.3 ドーピーガード 世界最大のコインランドリー

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