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2024年07月19日 更新

IDP ( 国内避難民 )キャンプ
Internal Displaced People
を視察させて頂きました。

ミャンマー避難民の方々の現状を
レポートしています

ミャンマーのIDPキャンプレポート

ミャンマー国内のIDP(Internal Displaced People )キャンプを視察しました。
国境の川を渡航して、米や油などの食糧支援品を、お届けするとともに、避難されているミャンマー人の人々が、どのような生活を行っているのかを視察して来ました。

2024年5月現在、ミャンマーは軍事政権の国です。そのため多くの難民が発生しています。

↓↓ 詳しくは、下記をご覧ください。


ミャンマー IDP キャンプについて

ミャンマーIDP ( Internal Displaced People ) キャンプとは、国内避難民キャンプの事です。IDPを直訳すると、ミャンマー国内での居場所を失った人々となります。

難民キャンプについては、こちらで詳しく説明していますので、興味のある方はご覧ください。

ミャンマー国内にあるIDPキャンプを視察してきました。

ミャンマー国内のMeeLetPanという地域にあるIDPキャンプを視察させて頂きました。

ミャンマーとタイの国境地帯は、深い山々や大きな川などで仕切られている場所もありますが、驚くほど近く、往来が容易な場所も多くあります。

今回はその中の1つの地域を訪れて、許可を得て国境の川を渡り、IDPキャンプを訪問してきました。

ミャンマーレポート 1 IDPキャンプに視察に行きました。

ミャンマーレポート
ミャンマーレポート 1 IDPキャンプに視察に行きました。

今回より、ミャンマーのレポートをお届けいたします。

タイの首都バンコクから、西へ約1時間、飛行機で移動して、タイとミャンマーの国境の町メーソートまで移動しました。

この辺りは、軍事政権下のミャンマーから逃げてきたミャンマー人が多く、ビルマ語が飛び交い、ビルマ料理がお店で出てくる地域です。

陸路でミャンマーと行き来するトラックも多く、友情橋という韓国の38度線のような国境からミャンマーが見える場所もあります。

ミャンマーで空爆などにより、タイ側に避難してきたミャンマー人たちの避難所も多くあり、多くのミャンマー人がそれをサポートしています。

今回の視察では、タイ側で設立されていて、避難してきたミャンマー人をサポートするための学校・病院・国際NGOなどを訪れさせていただき、色々なお話をお聞きさせて頂きました。

前置きが長くなりましたが、今回は、国境を渡ったミャンマー側にある、ミャンマー人の避難所であるIDPキャンプと呼ばれる施設を視察いたしましたので、ご報告させて頂きます。


IDCとは、Internal Displaced People ( 国内で居場所を失った人々 )という意味です。
震災などで、家を失った方々の避難所と同じような目的ですが、避難している人数が多いため、仮設的なキャンプも多く、公的な支援はなく、生活物資も、食料も足りずに、日々の生活で精いっぱいの方々の多いキャンプです。

タイとの国境付近にいくつも存在し、正確な数は公表されておらず、すべてを把握されている方も少ないです。

タイに移動すれば、安全はより保障されますが、言語の壁(タイ語とミャンマー語)や、故郷への思いなどがあり、国境ぎりぎりの地域にこのようなキャンプが作られます。

あまりニュースになりませんが、ミャンマーでは軍事政権とレジスタンスの地域紛争が続いています。
2024年4月にも大きな紛争があり、多くの民間人が命を失い、多くのミャンマー人が国境を越えて、タイに逃げてきたそうです。

イスラエルのガザ振興と同じように、レジスタンス掃討のために、民間施設、民間の村も空爆の被害に合うことが多く、タイ側の病院では負傷した多くのミャンマー人が手当てを受けている様子が見られます。

今回 訪れたIDC は、空爆等の地域ではなかったため、今のところ平穏な暮らしが続いています。
キャンプの人々の生活は、タイ側で生計を立てている多くのミャンマー人や支援団体によって支えられています。

メーソートで、支援品の米と油を買い込んで、ピックアップトラックに積み込みます。
荷物と共に、荷台に乗り込んで、陸路で渡し船の営業する地域まで1時間ほど移動して、国境のモエイ川の船着き場に到着します。

川幅は20mほどで、ミャンマー側の様子がよく見えます。国境監視の兵隊が常駐する監視小屋が見えます。

渡し船は、5,6人乗りの小さいボートで、草刈り機のようなエンジンで操船します。

私たちの行った時期( 2024年5月19日 )は、緊急事態もなく穏やかな空気が漂いますが、ミャンマーの兵士たちを刺激しないように、念のためカメラは禁止されました。

IDPキャンプに着き、支援品を降ろした帰り道で、少しだけ撮影できましたので、モエイ川の渡し船でタイとミャンマーの国境を渡る様子を動画で載せておきます。



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ミャンマーレポート 2 IDPでの生活について

ミャンマーレポート
ミャンマーレポート 2 IDPでの生活について

私たちの訪れたIDPキャンプは、MeeLetPanという場所にあります。
タイ側から船で川を渡って車で5分くらいの場所です。

IDPキャンプは、色々なところにあるので、継続年数も設備もそれぞれ異なりますが、このキャンプはできて3年ほどだそうです。

資材がないため、竹や木材を利用して、伝統的な家を作っています。
寺院の敷地である林の中に集落を作っているため、暑い日でも涼しく快適に過ごせます。

粗末な暮らしではありますが、住居はとても涼しく快適そうで、清潔な小さな医院もあり、安心して暮らしている様子が伺えました。

ただ、仕事がなく学校にも行けないため、自立した生活を送ることができず、支援頼みの生活になります。

タイの支援団体、ミャンマー難民たちで作った支援団体、日本の支援団体などがあり、色々な支援を行っています。

仕事する意欲のある若い人の仕事を探したり、職業訓練を行ったり、勉強して身を立てたい子供たちを支援して、タイ側に連れて行って寄宿舎で生活させて、大学に行くチャンスを作るような活動を行っているそうです。

ただ、発生する難民の数の方が圧倒的に多く、日々の食糧支援や古着などの最低限の生活支援で精いっぱいだそうです。

セカンドライフでも、衣料品や生活必需品、その他の学用品など、将来的に支援できそうなものは沢山あるのですが、現時点では、輸送の問題が大きく、食料や生活必需品の支援が優先されそうです。

このようなIDPキャンプから、タイ国内の避難民学校に移ってきた子供たちを支援する学校や施設も多くありますので、まずはそちらの支援が先になりそうです。



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ミャンマーレポート3 IDPの子供たち

ミャンマーレポート3
ミャンマーレポート3 IDPの子供たち

一枚目の写真は、NewBloodScool という学校の校長先生です。

20年以上前に、タイのメーソートに、NewBloodScoolという学校を立ち上げて、色々な支援を得ながら、活動を続けている方です。

NewBloodScoolの運営の傍らで、IDPキャンプの支援なども行っています。
今回のIDPキャンプの支援も、校長先生とNewbBloodScool の先生たちのボランティア活動に参加する形で、実現しました。

IDPキャンプでは、学校がなく、教育を受けていない子供たちばかりなのですが、道徳的な教育はきちんとなされていると感じました。

例えば、食料などを配給する際にも、きちんと並んだり、小さい子の世話をしたり、助けあい譲り合う精神が、きちんと教育されていると感じました。

このキャンプの中で診療所の手伝いを行っているカッターちゃん(14歳)は、学校に行って勉強して、看護婦さんになりたいと話してくれました。

カッターちゃんのような夢を持った子供が、実際に学校に通うことは簡単ではありません。

まず勉強を続ける環境を得るための資金を得て、親元を1人で離れ、学校で寄宿生活を送る事が必要です。最低限の生活を行い、学校生活を送るために、1人辺り年間10万円の資金が必要となります。

今回、カッターちゃんは、運よくBRCJ(日本のミャンマー支援団体)を通じて、NewBloodScool に通えることになりました。

このような意欲のある子供達に、もっと多くの機会を与えることができればと思います。




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ミャンマーレポート 4 IDPキャンプ食糧支援

ミャンマーレポート
ミャンマーレポート 4 IDPキャンプ食糧支援

今回のIDPキャンプ訪問では、事前に買ったお米と油を持っていきました。ミャンマーの料理では保存のために油をとても多く使います。

お米と油は重いので、キャンプの若者たちが、船と車で運んでくれました。
若い男の子たちが、率先して支援品を運び、みんなに行き渡るように並べていきます。

支給が始まるとみんな列に並びます。
横入りせず、揉めることもなく、きちんと列に並びます。

学校教育もなく、最低限の物しかない生活でも、みんなとても清潔で、倫理感がしっかりしています。親世代からの生活の中での教育がとてもしっかりしているのだと思います。





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ミャンマー避難民の女の子、カッターちゃんが入学しました。

ミャンマー避難民の女の子、カッターちゃんが入学しました。
ミャンマー避難民の女の子、カッターちゃんが入学しました。

ミャンマー IDPキャンプ 訪問 ( 2024/05/19 )で、レポートをお届けさせて頂いた中で登場する女の子、カッターちゃんが、無事に入学することができました。

カッターちゃんは、ミャンマー人の女の子です。IDP( Internal Displaced Place )キャンプに住んでいます。

IDPキャンプとは、ミャンマー国内の内戦で空爆などから逃れ、住んでいた村を追われた人々が避難しているキャンプの事です。

内戦から逃げてきた人々は、自分の故郷にいつでも戻れるように、ミャンマーとタイの国境付近に集まり、キャンプを形成します。

着の身着のままで逃げてきた人も多く、基本的な食糧支援が必要とされていますが、ミャンマーおよびタイ政府からの正式な援助などは届きませんので、地元で成功したミャンマー人、NPO・NGOなどの団体が、彼らを支援しています。

今回、カッターちゃんの就学の意欲が実り、同じIDPから3名の子供たちが、学校に行くことができました。ニューブラッドスクールというタイ側にある避難民を支援している学校です。

親元を離れての寄宿生活となりますが、頑張って勉強して、カッターちゃんの目標である医療系の仕事に就けると良いなと思います。



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ミャンマーIDPキャンプで必要なもの

ミャンマーのIDP( Internal Displaced people)キャンプには、継続的な食糧支援が必要です。

今回、ミャンマーのIDPキャンプを視察させて頂いて、現時点で必要なものです。

食糧の支援

ミャンマーIDPキャンプの避難民への食糧支援


お米や油などの食料品支給に同行してきました。

拠点となるメーソートの町からは、車で1時間弱かかります。そこから船で国境を越えて、さらに車で移動するので、かなりの距離を走る上に、船の積載上限などもあるため、あまり多くの荷物を一度に運ぶことができません。

今回は、米袋8袋と油数缶を持っていきました。このキャンプの世帯数だけで300世帯、約1000人が暮らしていますので、1人辺りの配給は、かなり少なくなります。

それでも、小さい子供たちもきちんと列に並び、配給を待ちます。

学校が無くて基礎教育を受けられない子供たちが多いですが、倫理・道徳的な的は、きちんと親から子へと伝えられています。

別のキャンプ、学校でも感じましたが、ミャンマーの人々は、礼儀正しくまじめな印象が強いです。
きちんとした教育を受けることができれば、社会で活躍できる優秀な人々が多く出てくると思います。

衣服の支援

ミャンマー避難民の子供たち。衣服やサンダルなどの支援はとても喜ばれます


ある程度きちんとしたものは着ていますが、やはり物量が不足している印象。靴やサンダルをはかずに裸足の子供も多くいます。

川を渡るなど荷物の移動に物理的な制限はありますが、定期的な食料支援が行われていますので、衣料品などは支援しやすいと感じました。

要請に応じて、古着などの支援を行っていきたいと思います。

文房具などの学用品の支援

現時点では、学校もなく、勉強を教える教師もおらず、子供たちは勉強ができない状況です。

意欲のある一部の子供は、カッターちゃんのように機会を与えられて、タイ側の学校に行ける場合もありますが、チャンスは多くありません。

もう少し生活が落ち着き、簡易でも学校などができてきたら、文房具などの学用品を支援していきたいと思っています。

セカンドライフが支援できること

ミャンマー避難民の人々にセカンドライフが支援できること


他の貧困地域と異なり、農業依存などの経済的な問題ではなく、政治の問題が大きく絡むので、根本解決はとても難しいのですが、それでも明るい光は感じられました。

タイ側で自立しているミャンマー人たちが、多く同胞の支援を行っていること、道徳・倫理がきちんと伝えられており、貧しくても分け合ったり、きちんと並んだりできること、まじめに勉強・仕事する人が多いことなど、一番大切だと思われる基礎的な人間性の部分が整っているので、基盤が整えば、多くの子供たちが、立派に育っていくのではないかと感じました。

例えばバンコクの食堂などでも多くのミャンマー人が働いていますが、オーナーや店長に話を聞くと、ミャンマー人はまじめに働くと、高い評価を得ていることが分かります。

貧しい生活の中でのハングリー精神なのかもしれませんが、一生懸命にまじめに働くミャンマー人たちが地道に評価を上げることが、後進の子供たちがタイ側に来た際に、有利な条件を作っているように感じました。

その中で私たちができることは、「未来のための教育支援」と「子供たちが希望を持つための支援」だと感じました。

どの地域でも感じることですが、文房具や学校の備品を支給することは、物理的な物の支援だけではなく、精神的な支援にもなりえます。自分たちを応援してくれている人がいること、近くて遠い日本という国には豊かな生活環境があること。

勉強して知識をつけ、職を身に着けて視野を広げることで、未来の可能性が大きく広がることを、少しでも感じる子供たちが増えて、自立の底上げになるような活動ができれば素晴らしいことだと感じました。

著者 WRITER
監修者 REVIEWER
の情報

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