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2024-07-12 更新

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- #インド
- #SDGs Goal 1 貧困をなくそう
No 611 インド チェンナイの孤児院 視察レポート
インドのチェンナイ( 旧マドラス )の空港から、タクシーで1時間半走り、内陸部のタミル・ナードゥ州のイッカドゥという街を訪問してきました。目的地は、この町にあるシャローム大聖堂という教会です。
この町には、観光客もおらず、ほぼ現地語のタミル語しか通じません(英語もあまり通じません)。裸足で歩く人も多く、決して豊かとはいえない、昔ながらのインドの街並みが残る町です。
この聖堂には、インドでは少数派のキリスト教の普及活動と、恵まれない子供たちへの奉仕活動を続けているタンガチャン牧師さんが住んでいます。20年に渡り、普及活動と孤児たちへの福祉活動を行っています。食料を配布したり、洋服や文房具などを寄付する活動です。
インドは、GDPでは、いまや世界5位の経済大国です。
その反面、貧富の差は、世界一と言って良いほど大きく、田舎の方では、10年前とさほど変わらない人々と生活を見る事ができます。
ダラビスラムのレポートでも、少しお伝えしましたが、インドの経済を考えるときに、宗教の問題が切り離せないように、見えます。
ヒンドゥー教の定めるカースト制度が、経済発展と秩序と貧富の差を生み出しているように見えます。
そんなインドでは、少数派であり、非公式ながら活動への迫害に近い状況に追い込まれているキリスト教のシャローム大聖堂の牧師さんを訪ねました。
インド チェンナイの孤児院 vol.1 子供達に古着の寄付 ( 260 )

写真 : シャローム大聖堂には、80名の孤児たちが集まりました
インドのタミル・ナードゥ州のイッカドゥという街にあるシャローム大聖堂というキリスト教会での寄付会に参加させて頂きました。
この週の州都であるチェンナイ空港から、車で1時間半ほどかかる場所にあります。
いくつかの孤児院の子供達が、総勢で80名ほど集まってくれました。
特別な会なので、みんな着飾ってきていますが、生活は貧しく予備の衣料品などもあまり持っていないため、日本製の古着の寄付はとても喜ばれます。
人数が多いので、サイズ違いなども発生しますが、お互いに交換したりして、うまく分配されていきます。
いくつかのグループが、ダンスや歌などを披露して、イベントを盛り上げてくれました。
インド チェンナイの孤児院 vol.2 子供達に文房具の寄付 ( 261 )

写真 : 80名の子供たち、1人1人に、寄付させて頂きました
インドのシャローム大聖堂での寄付会では、古着に加えて、文房具の配布も行いました。
みんな生活が貧しいため、文房具などもあまり持っていません。日本の文房具は質が良いらしくとても喜ばれます。
数を持って行けず、1人辺りでは少しづつの配布となりましたが、それでもとても喜んでくれました。
インドが経済大国になった後でも、強く残るカースト制度から抜け出し、貧困連鎖から抜け出るには、教育が必要です。
この中から、1人でも多くの子供が高等教育に進んで、賃金の高い自立した生活を得て、地域社会に還元できる流れができると良いなと思いました。
インド チェンナイの孤児院 vol.3 子供達に楽器の寄付 ( 289 )

写真 : インドの孤児院の子供たち。古着と文房具以外にも、ピアニカを寄付させて頂きました
インドの子供達には、古着や文房具と共に、ピアニカなどの楽器もお渡ししました。
インドでは音楽は、とても生活に結びついているものですが、孤児院などではあまり楽器を演奏する機会はないため、楽器を持って行くと欲しがる子供が大勢います。
ピアニカは、子供用の簡易な楽器ではありますが、ここから音楽や演奏に興味を持ち、1人でも音楽の才能を開花する子が出ると良いなと思います。
インド チェンナイの孤児院 vol.4 インドの宗教について ( 262 )

写真 : 孤児院を支援しているインド奥地のキリスト教会
インドを理解する上で必要な宗教についてのレポートです。
インドでは、大多数の約80%の国民がヒンズー教徒です。ついで、イスラム教徒が14%、キリスト教徒が2%となっています。仏教は意外に少なく1%未満です。
ただ人口が多いため、2位のイスラム教徒でも、1億人以上存在しています。
インドには、カースト制度が根強く残っており、基本的には職業選択の自由が無い場面が多く残っています。洗濯の仕事をする人は洗濯の仕事など、代々そのカーストで生まれた人々が同じ仕事に携わります。
勉強して知識を身に付けて、ITなどの職を手に付けるなどしないとこのカーストから抜け出す事ができません。ダラビスラムのレポートでも感じた事ですが、貧しい生活の中で、高等教育を受けて、カーストから抜け出せる人はほんの1握りです。
多くの特に貧しい人々は、経済大国となった今も、相変わらず同じカースト制度の中での生活を続けています。そのカースト制度の根本となっているのが、ヒンズー教です。
インド憲法自体は、カースト制度を否定しており、国教もありませんが、実際にはヒンズー教とカースト制度が政治的にも重要な位置を占めています。宗教が政治と結びつく事は、世界中で見られることですが、インドでは改宗防止法という法律がつくられました。
特に、下層のカーストの貧しい人々は、救いを求めてキリスト教や仏教に改修する事が多く、その事態を重く見た政府が成立させた法律だと言われています。
今では少数派となった仏教は、インド生まれの宗教で、カースト制度を否定する宗教でしたが、過去にカースト肯定の思想の中で多くの排斥があり、インドでの地位を落としていったのだと考えられているそうです。
改宗防止法により、キリスト教や仏教の集会が禁じられ、弾圧がある意味合法化された面があります。実際に多くのキリスト教会やキリスト教徒への襲撃事件などが頻発しており、多くのキリスト教会が閉鎖に追い込まれたそうです。
一部の過激派だけの問題ではなく、州や市などの公的機関も巻き込んでいるため、問題はより大きいようです。この教会でも、敷地外での活動は行う事ができず、何度も市の職員などが来て、許可証などを求められたようです。また、公安当局に連れていかれて、何時間か拘束されたことも数度あるそうです。
チェンマイから2時間ほどかかる内陸部のかなり田舎の街だという事と、市の担当の方が過激ではないため、大きな襲撃や排斥には至っていないようですが、本当にぎりぎりの活動なのだという事を、現地で実感しました。
私たちは、世界の多くの国でレポートや活動を行っており、どの国でも宗教には中立の立場ですが、宗教は政治や経済と結びついているため、色々な政策や風習や問題を目にすることがあります。しかし、慈善活動を行っている宗教団体を迫害に近い形で排斥しようとする行動が、実際に行われている国は初めて目にしました。
まさに教科書の中で見たような、宗教の迫害というものが、今の時代に起こり得るのだと改めて認識しました。
ウクライナやガザ地区の戦闘が大きく報道されていますが、その裏ではもっと多くの様々な地域紛争が起こっています。
経済大国のインドでも、東南アジアのミャンマーでも、宗教や利権から起こる政治的対立での地域紛争は、無くならないのだと改めて感じさせられました。
経済大国となったインドで、なぜ貧困が無くならないのか?
その答えの1つが、宗教問題とカースト制度にある事を、今回のインド視察で強く感じました。
宗教問題に根差しているインドの貧困問題は、スラムや、貧村の貧困問題とは異なり、世界の中でも珍しい構造に思えます。
■ 関連情報
・ 260 インド チェンナイの孤児院 vol.1 子供達に古着の寄付 ・ 261 インド チェンナイの孤児院 vol.2 子供達に文房具の寄付 ・ 289 インド チェンナイの孤児院 vol.3 子供達に楽器の寄付 ・ 262 インド チェンナイの孤児院 vol.4 インドの宗教について