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2025-11-20 更新

No 553 スカベンジャーとウェイストピッカー

廃棄物の中から再利用可能な物を回収して生計を立てる人々は、一般にスカベンジャー、あるいはより尊重的にウェイストピッカーと呼ばれています。

2つの呼称の違いや、彼らの役割、日本との違いについて、まとめてみました。


スカベンジャーとウェイストピッカーの違いとは?



「スカベンジャー」と「ウェイストピッカー」は、どちらも、ごみの中から再利用できる物や売れる資源を集める人を指す言葉です。

今は「waste picker(ごみの中から資源を拾い、分別し、売る人)」のほうが、国際機関や支援団体ではより尊重のある表現として使われています。「scavenger(あさる人、死肉あさりの意味もある語)」は、相手を低く見る響きを持つことがあるためです。

世界には推計で1,500万?2,000万人のウェイストピッカーがいるとされ、都市の資源循環を支える大きな存在となっています。


各国でのウェイストピッカーの呼び名



国際機関などの「知識人」の間で、ウェイストピッカーの呼称が推進されたとしても、ローカルな地域では、その呼称は異なります。

たとえば、ブラジルでは「catadores(集める人)」、コロンビアでは「recicladores(再生資源を扱う人)」、アルゼンチンでは「cartoneros(段ボールを集める人)」、メキシコでは「pepenadores(拾い集める人)」、エジプトのカイロでは「zabbaleen(ごみを集める人々)」、英語圏の一部では「reclaimers(資源を取り戻す人)」や「recyclers(再生資源を扱う人)」などの呼び名もあります。日本では、廃品回収業者が、これにあたります。

名前は違っても、役割は「捨てられた物の中から価値を見つけ、再び社会に戻すこと」にあります。


ウェイストピッカーの社会的な役割



彼らが主に集める資源は、紙、段ボール、新聞、PETボトル、その他のプラスチック、アルミ缶、鉄くず、銅などの金属、ガラスびん、衣類や布、ゴム、時には家電や電子機器の一部です。これらは家庭ごみ、商店街、路上、ごみ集積所、市場、埋立地などから回収され、分別されて仲買人や再生業者へ売られます。

ウェイストピッカーは「ごみを拾う人」であると同時に、「 資源リサイクルを担う最前線の職業」でもあります。

その生活は楽ではありません。蔑視、汚染による健康被害などに晒されている職業です。一方で十分な高等教育を受けていなくても簡単に始められる仕事でもあり、都市部で仕事を得られない人々にとっては、収入を得る貴重な機会にもなっています。

収入は、その地域の平均賃金よりも良い場合が多いです。大変な仕事の半面経済的なメリットが、彼らの労働意欲を支えている面もあります。

ウェイストピッカーが多く活躍する国では、ごみが十分に分別されず、混合ごみのまま集められたり、埋立地やオープンダンプに運ばれたりする地域が多いです。

世界銀行は、低所得国ではごみの93%がオープンダンプに頼ると報告しています。そのため、回収されず埋もれてしまうはずの資源を、ウェイストピッカーが人の手で救い出し、リサイクルへつなげています。国や都市によっては、リサイクルの大部分を彼らが支えているのが世界の現実です。

国の政策として、運営コストの問題で焼却炉を作れず、分別率も低い場合、生ごみから、資源ごみまでをミックスして収集し、穴の中に投棄したり山積みにして、保管する政策を取る国が多いです。有機物以外のプラスティックなども相当量が混じるため、環境にも悪く、あまり良い政策とは言えませんが、コスト削減のためにやむなくごみ山を作る国はとても多いです。

そのような国にとって、ウェイストピッカー達は、リサイクル率を上げてくれる存在です。国としてのゴミを減らし、リサイクル率を上げるために、必要な存在とも言えます。

蔑視の対象であり、環境汚染や医療汚染の中で健康被害もある厳しい職種ですが、その分、平均賃金よりも多くの収入を得ている人も多く、経済的な利益が、彼らの活動を支えています。


セカンドライフでは、世界中に不用品寄付を行っていますが、各国を視察で訪れる際に、ごみ山の人々にも話を聞く機会が多くあります。多くの国で、構造は似ていますが、少しづつ状況は異なります。


フィリピンでのウェイストピッカー



フィリピンでは、急速な都市化と人口増加を背景に、マニラ首都圏を中心として大規模な廃棄物回収労働が発生してきました。かつてのスモーキーマウンテンに象徴されるように、多くの人々が埋立地やスラムでゴミを拾い、プラスチックや金属を売って生活してきました。現在でも、都市部の近くに作られたごみ山周辺では、ウェイストピッカー達の村があり、日給300〜450ペソ程度の収入を得ています。これは、フィリピンの平均収入よりも高い水準です。

彼らは、社会保障を持たず、不衛生な環境で十分な防護もないまま、様々な汚染の中で働いており、常に不安定な立場にあります。小学生、中学生くらいの子供たちが、学校に行かずリサイクルの仕事を手伝っている姿も、良く見かけます。

色々な問題も含んでいる一方で、フィリピンのリサイクル産業の最下流を支える重要な担い手であることは間違いありません。

フィリピンで有名なスモーキーマウンテンは、世界中で報道されて悪名高い存在となったこともあり、フィリピン政府により閉鎖されました。しかし代わりに、ハッピータウンやその他の小さなリサイクルタウンができており、行っている内容はあまり変わりません。つまり、政府にとっても、リサイクルを行う人々は必要だという事です。

フィリピンでは、近年は、NGOや自治体によって「ウェイストピッカーを労働者として認める」動きが進み、教育支援や組合化の試みも見られます。


フィジーでのウェイストピッカー



一方、フィジーにおけるウェイストピッカーの規模はフィリピンほど大きくありません。フィジーは人口規模が小さく、都市部も限定的ですが、首都スバ周辺の埋立地では、貧困層や都市周縁に住む人々が廃棄物回収に従事しています。特に問題となっているのは、島嶼国であるがゆえの廃棄物処理能力の限界です。輸入品に依存する生活の中でプラスチックごみが増加し、正式なリサイクル体制が十分に整っていないため、ウェイストピッカー達が環境保全の一部を担っている現状があります。

島国であり、採算の合わない品門(段ボールなど)は、多くの国でリサイクル資源として扱われているにも関わらず、フィジーでは、採算が合わないため資源として回収されず、他のごみとミックスされてごみ山を形成しています。

市場から出る廃棄食品などは、コンポストでの再生などが試みられており、ウェイストピッカー達の職場環境を良くするために、NGOが入り、シャワー設備を作るなど、労働環境を良くして、社会的な地位をあげて、結果としてリサイクル率を上げるための試みは、常に行わています。

フィジーでも、ウェイストピッカーは「貧困の象徴」として蔑視されがちですが、政府は彼らの名称を、CPR( Collection Pillars of Recycling : リサイクルの収集の柱)と呼び、その役割を認めて、政策として永続化させようとしています。
観光立国であるフィジーにとって、環境保全は国家の重要課題であり、廃棄物回収に従事する人々を定着化させて、制度の中に組み込むことはとても大切な事だからです。


カンボジアでのウェイストピッカー



カンボジアのシェムリアップのごみ山でも、沢山のウェイスト・ピッカー達が働く姿を見ることができます。カンボジアでの平均月収が、約100ドル、農村部では、60-80ドルであることに対して、ウェイストピッカー達は、200ドルの月収を得る人がざらにいます。やはりカンボジアでも、ウェイストピッカー達の収入は、平均よりも高いです。

それでは、入りきれないほどの人々が群がる。というよりは、安定して一定の人々がリサイクル品の収入を行っているという雰囲気ですので、やはり蔑視や汚染被害の影響が大きくて参入にはかなりのハードルがあると言えます。

また、カンボジア屈指の観光地シェムリアップでは、街から40分以上離れた農村地帯にひっそりとごみ山が存在し、大きな企業によりその場所が運営されています。

フィリピンやフィジーと同じく、ミックスされたごみがダンプされ、人々が手で集めて、リサイクルするシステムですが、他の国と異なるのは、入場規制、取材規制が引かれている事です。

アジア屈指の観光地であるシェムリアップでは、イメージ悪化が大問題となります。そのため、あまり情報を国外に流出させたくないという理由があります。


日本のウェイストピッカー



日本にも「廃品回収」はありますが、これらの多くは、新聞、雑誌、段ボール、古布、金属などを家庭や地域から比較的きれいな状態で集める仕組みであり、危険な埋立地や混合ごみの山から生活のために資源を拾うウェイストピッカーとは大きく異なります。

※ 不法業者、資源持ち去りの問題も、少しありますが、全体量としては少ないため省いて、上記のようにまとめています。


日本は、自治体が法制度のもとで収集・処理を担い、家庭でも可燃、不燃、資源ごみなどの分別が進んでいます。

日本では焼却による中間処理が大きな役割を持ち、最終処分場へ行く量を減らす仕組みが整えられています。環境省によると、2023年度の一般廃棄物総排出量は3,897万トンでした。

つまり、日本の廃品回収は制度の内側に近い活動であるのに対し、世界のウェイストピッカーは制度の外側で、都市の足りない部分を埋めている存在であり、この点が大きく異なると言えます。


ウェイストピッカーについてのまとめ



彼らの呼び方をスカベンジャーからウェイストピッカーへと変える動きは、世界中の知識人の間で見られます。彼らを「問題」ではなく「社会を支える労働者」として捉え直そうとする試みだと言えます。

セカンドライフは、世界中に日本の不要品を再利用する活動を行っているため、世界の色々な都市への視察を行います。
その際に、ごみ山の人々にも話を聞く機会が多くあります。

私達は、ごみ山のウェイストピッカー達について、十分な教育機関が無い事を問題視しています。
例えば、十分な防護をせずに、ミックスされ汚染されたごみを扱う事の健康リスクなどを、十分に理解したうえで、その作業を行っているのか?という視点です。

貧困連鎖の問題は、教育機会が十分に与えられず、子供たちの未来への投資が十分に行われない事だと思っています。

せめて、子供たちの就学機会を奪わず、十分な教育を受けた上で、自分の判断で職業を選ぶことのできる機会を与えてあげるための、少しの援助ができたらと思っています。

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