認定 NPO法人グッドライフは、寄付の見える化に挑戦中!
認定 NPO法人が、寄付の見える化に挑戦中!
ここでは、SDGs ゴール4をより詳しく見ていきます。
ゴール4には、10のターゲットがあります。
10のターゲットの中には、内容が細かく、学術的でかなり難しい解釈のターゲットもあったり、私たちの活動範囲ではないターゲットもあります。
セカンドライフの寄付活動を行う際に指針となるSDGs Goal 1のターゲット( 緑色 )に絞って解説を行って行きます
セカンドライフに寄付をして頂く皆様の中で、最も要望が多いのが、子供の貧困問題と教育問題です。
スラムの貧困、農村部の貧困、都市部の貧困など、地域により民族により様々な貧困の問題がありますが、その多くに共通するのは、貧困連鎖を抜け出すためには、十分な教育が必要という事です。
そのため、セカンドライフでは、子供の教育支援活動を行う機会を多く持っています。
この章では、SDGsの目標とターゲットに沿った教育支援というテーマで、セカンドライフが現場で感じたことを中心に、記載させて頂きます。
まずは、SDGs Goal 4 で定義されている目標の意味を、英語の原文から読み解いていきたいと思います。
■ 英語の原文
Ensure inclusive and equitable quality education and promote lifelong learning opportunities for all
■ 日本語訳
包括的で公平な質の高い教育を確保し、すべての人に生涯学習の機会を促進する
■ 単語の意味
Ensure 確保する
inclusive 包括的 = すべてを含んだ
equitable 公平な
lifelong learning 生涯学習
>> 男女、民族、地域により、教育の質に差が出ないように、公平な教育の機会を与える事
>> 全ての人が生涯にわたって学習できる環境を作る事
だと解釈できると思います。
次に、10個のターゲットを読み解いて、より具体的な目標を見てみると、下記のようにまとめられると思います。
セカンドライフでは、不要品の寄付活動を通じて、プライマリースクールでの教育を全員が受けられるようにする事と、質を上げる事への貢献を行っています。
つまり、途上国での就学率はまだまだ低く学校に行ってない子供が多い事と、プライマリー教育の質が低いという事です。
十分な教育が行えない理由として、場所の数だけ、様々な問題や原因があると思いますが、私たちが実際に現場で目にした事をまとめてみます。
まず、スラムやコンパウンド、貧しい農村地域など、貧困地域と言われる場所でも、学校自体は割と存在します。
政府資金、ODA資金、民間団体、国連など、色々な機関や人々が協力して、学校創りを行っている例はよく目にすると思います。しかし現地に行くと、箱物はあるけど、ちゃんと機能していない。という事例をよく目にします。
下記は、学校に行けない子供がいる理由、プライマリー教育の質が上がらない理由を私たちの体験からまとめたものです。
子供にも親にも、学校に行きたいという意思があるけど、制服、バッグ、文房具などを買えなくて、通う事ができない。という家庭を多く見かけます。
これは、物理的にものが無くて通えない。という意味と、何も持っていないか、ぼろぼろのものしかなくて恥ずかしいから通いたくない。という2種類の子供達を、良く見かけます。
公立のプライマリーの学校自体は、無償でも、給食費は別であったり、制服や文房具・教科書などの学用品は有償である学校は多くあります。
特に、ノートや文房具などは、消耗品ですので、日本からまだ使えるモノを寄付してあげると本当に喜ばれます。環境が悪いと効率も質も落ちますので、品質の良い文房具は、直接的に子供たちの学力に影響を与えます。
また、発展途上の子供たちにとっては、気持ちの問題もとても大きな問題です。
学校に行きたくても、制服がないから、ちゃんとしたノートや鉛筆がないから、馬鹿にされたくなくて行きたくない。などと思う子供も沢山います。
そのような場合、ランドセルに入れた文房具セットなどを、子供たちに支給すると、新しい文房具( 日本では中古ですが、現地では新しいものに見えます )を見て、学校に行きたい、勉強したい。と思ってくれる子が増えます。
持っているものだけでも同じレベルにしてあげると余計な劣等感もなく、素直に学校で学べます。
また、遠い国日本から、自分たちの事を理解し、応援してくれているんだ!と知ると、外国への興味も湧き、自分の将来への想像が膨らみます。モノの支援は、物理的な欲求を満たすためのものだけではなく、精神的な充足感を与える事にも有効だと思います。
これはとても深刻な問題です。
例えば、ザンビアのコンパウンド(スラム)にある小学校で、10歳の女の子の家に家庭訪問に同行した時の実話です。
お父さんは病気で働けず、お母さんは洗濯を請け負う仕事で、兄弟4人を含む家族6人がご飯を食べるための生活でいっぱいいっぱいです。1日1食食べれたら良い方で、時には、2-3日食べられない日もあるそうです。
そのため、10歳の女の子をお父さんが連れて、毎晩のように繁華街まで歩いて「ものごい」に行っています。小さい子や女の子は稼げるため、ものごいには、欠かせないそうです。女の子は、帰るのが遅いため朝起きられず、学校も休みがちになります。
家庭訪問では、担任の先生が事情を聴きましたが、ものごいに行くなとは言えず、せめてもう少し早い時間に帰って欲しい。朝は頑張って起きて、学校には来て欲しいと伝えました。
女の子も、お父さん、お母さんも、学校に行っても将来があるとは思っていません。みんなが行っているから、家で遊んでいるよりは良いかな。というくらいの感覚です。自分たちが社会の中で自立できていないので、将来への想像力が育まれていません。
そのため、頑張って勉強して将来への備えを行いたいとは思えず、生きるために目の前の日銭を追いかけるのが当たり前になっています。
この問題は、解消に時間がかかる問題なのですが、未来を想像してもらって、子供の時間を勉強に投資してもらう事を理解してもらうしかありません。
例えば、文房具をプレゼント!とか、日本から学生たちが来てみんなで遊んだ!とか、タブレットやパソコンを使って海外の子供達と交流した!とか、1年に数度でも、外の世界と触れる機会があると、多くの子供たちの中から、外に目を向けて、将来を想像して、勉強を頑張ろうと思う子供が、必ず現れます。
その中からは、セカンダリスクールに進んだり、大学に進んだりして、「成功する人」が現れてきます。
そのようなモデルケースになる子供達を増やして、学校に行った方が将来良い生活ができる可能性が高まる。という事を、身近な例で体感してもらうのが、遠いようで近道なのだと思います。
その為には、長期的な視点に立ったサステナブルな継続支援が欠かせません。
これも、とても構造的な問題で、経済的な問題です。先生が集まらない一番の原因は、賃金の問題です。給与が十分にもらえないから、先生が集まりにくいのです。
その根本的な原因は、貧困家庭が多く、授業料を支払えない事です。
学費がもらえないと、先生への賃金も支払えないため、優秀な先生は、私学などの賃金の高い学校に集まります。結果として、公立などの資金が乏しい学校では、いつも先生が少なく、専門ではない先生が掛け持ちで教えたりして、教育の質が上がりません。
根本的には、子供たちの学力を上げて、将来賃金を上げて、学費を少しでも払える家庭が増えて、十分な先生を集められるようになる事。なのだと思いますが、それには、地道な努力と時間が必要です。
ただ、救いがあるのは、途上国でもネットが整備されている国が多いという事です。
ノートパソコンもほぼ見ないような街でも、5Gの電波が入る事もあります。日本と異なり利用制限などもあまりされていないため、朝夕は繋がらなかったりと、不安定ではありますが、それでも1つのメリットだと思います。
セカンドライフでは、タブレットやパソコン、プロジェクタなどを導入したオンライン授業を、途上国で普及させることを計画しています。
ボランティアの先生でも、参加のハードルが下がりますし、世界中と交流する事も可能になります。
例えば、先述のコンパウンドの小学校では、1学年に1つの教科書しかないため、従業の半分は教科書を写す時間です。紙もインクも不足しているので、宿題もプリントを持ち帰る事ができず、写す時間が必要です。1日の授業の大半は、書き写す事に費やされます。
これはとても非効率で、その結果としてプライマリースクール( 日本の幼稚園から中学校くらい )を卒業しても、日本の小学校4年生くらいの学力しかつかない子供も沢山います。
その結果、次の高等教育(セカンダリスクール)に行けず、読み書きできる程度の学力では、都会の仕事に就けず、肉体労働や農業などの不安定な期間作業しかできず、収入を上げる事が難しくなり、貧困連鎖に陥ります。
そのような環境では、学校教育をむしろ邪魔なものと思う大人が多く、学校教育に懐疑的な保護者も増えます。学校に通うには、文房具や制服代などを捻出する費用が掛かりますし、労働力として貴重な子供の時間を取られます。
非電化地域で、電気が供給されていなくても、ソーラーを利用してタブレットで授業を行う事や、必要最低限の文房具類を供給する事ができれば、授業の効率化に役立ちます。結果として学力が向上し、セカンダリなどの高等教育へ進学できる子供が増えます。
インフラを整えて、成功例(モデルケース)を創る事は、周囲の大人に教育の重要さを理解してもらう上で、とても大切な事だと思います。
学校に行ったとしても全ての人が、頭を使う仕事に就くわけではなく、職人さんや、IT技術者などの職能を活かした職業に就く人も多くいます。
また、柔道やサッカー、音楽や画家など、スポーツ・芸術分野で、能力を発揮し、才能を開花させる人もいます。
セカンドライフでは、学校の勉強以外でもこのような分野でのサポートを行って行きます。
セカンドライフでは、柔道やサッカーなどのスポーツに対する寄付支援を行っています。
例えばザンビアのようなアフリカの国では、柔道が盛んです。警察・軍隊などの幹部には、柔道関係者が多く、柔道の黒帯を持っている事で、就職に有利になるという事実があります。
このため、コンパウンド(スラム)の子供や、難民キャンプの子供たちは、かなり真剣に柔道に取り組んでいる子が多くいます。
柔道で黒帯を取り、成績を残せば、将来、軍隊や警察に就職できて、自立した生活を送る事ができる。というモデルケースが、身近に多く存在するからです。
一方で、青空道場も多く、道着の数も足りず、公式試合の時ですら、柔道着の貸し借りをする光景がみられるほどです。
このような環境下では、柔道着の寄付は、本当に喜ばれます。空手着や少林寺拳法の道着であっても問題ありません。Tシャツやガウンで練習するよりも、何倍もマシだからです。
サッカーも同じような状況です。サッカーのプロになってお金を稼ぐことは、アフリカ、南米、アジア諸国の貧しい地域で、多くの子供達が夢見ている事です。
ですが、サッカーシューズはもちろん、ボールすらないチームも多くあります。芝もなく舗装もされていない生の土と石の上でサッカーボールをけり続けると、半年もすれば、色あせてボロボロになります。それでも、穴が開いて、蹴れなくなるまで、子供たちはサッカーボールを使い続けます。
小さい子のチームでは、そのようなボールすらなく、ビニールで作ったボールで代用している事すらあります。
日本から届いた中古のボール、シューズ、ユニフォームなどは、ザンビアの子供たちの宝物です。寄付品を手にして、感謝の気持ちを感じながら、将来に向けて一生懸命に練習に励む子供たちが、沢山います。
セカンドライフでは、絵の具や色鉛筆なども、文房具と一緒に良く寄付しています。
また、綿棒を筆に見立てて、水彩絵の具を使ったお絵描き大会なども、現地の子供達と一緒に良く実施しています。
色鉛筆などを使ったお絵描きは、途上国の学校でもたまに行っていますが、水彩絵の具やクレヨンは使ったことのない子が多く、日本の質の良い絵の具を使って、色を混ぜることなどを覚えると、どんどん自由に絵を描いていきます。
ほんの些細な事なのですが、このような経験から、絵の楽しさ自由さに目覚めてくれて、芸術の道に進む子が1人でも2人での出てくれたら良いなと思います。
また、そこまでの才能は無くても、絵を描く事で、自分の将来に対する想像が広がり、夢を持てるような機会が増える事は、間接的に子供たちの成長には、良い影響を与える事だと思っています。
音楽も同じような効果があります。
日本の義務教育課程で使う鍵盤ハーモニカ(ピアニカ)や、ハーモニカ、リコーダーなどは、手に入りやすく使いやすい楽器です。
楽器が無かったり、先生がいなかったりして、音楽の授業自体を行っていない学校も多いため、楽器の寄付を通じて音楽の授業もできるようになると、授業の幅が広がります。
音楽は、情操教育や集中力を高める事にも有効だと思います。絵と同じように、音楽の道に進む子供が、1人でも多く増えたら良いなと思い、寄付活動を続けています。
今の時代は、携帯、タブレット、ノートパソコンなどのIT機器は、使えて当たり前の時代です。
ですが、途上国では、まだまだ導入が遅れているのが現実です。
国のカリキュラムには、ノートパソコンを使った授業が載っている。けど、パソコンがないから授業ができない。という学校が多くあります。
先述したように、書き写す事で精一杯の授業では効率が悪く、生徒の学力もなかなか上がりません。
実際に導入した例として、コンパウンド(スラム)の中の学校に、タブレットを寄付させて頂いた事例をご紹介します。
日本から持ち込んだタブレットを、クラスの生徒2人に1つで使ってもらいました。
タブレットには、事前に教科書を読み込ませており、黒板を書き写す手間が省けます。
また、いろんな教科書が入っており、切り替えも簡単ですし、指定されたページへのアクセスも容易です。
さらに、今年は日照り続きで、ダムの水量が低く発電、20時間の計画停電が実施されていましたので、事前に充電していたタブレットをライト代わりに使う事も出来ました。
その他のSDGsゴールに対するセカンドライフの考え方や活動については、下記をご覧ください。
SDGs ゴール4:質の高い教育をみんなに に関連するセカンドライフの寄付活動レポートです。
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