ザンビアは独立後、一度も内戦の無い国で、アフリカの中で最も平和な国の1つと言われています。
そのため、近隣の紛争国から逃げてきた人々(難民)を、受け入れるための難民キャンプがあります。
メヘバ難民キャンプ( meheba refugee settlement )は、そのうちの1つで、国内最大のキャンプです。
コンゴ民主共和国、アンゴラ、ルワンダ、ブルンジ、ソマリアなどからの難民を受け入れていて、約2万人の難民が暮らしています。近年は、コンゴ民主共和国からの難民が増えています。
720平方km2の敷地を8つのブロックに分けて管理されています。
参考:UNHCR Zambia: Meheba Refugee Settlement Achievements Report
https://reliefweb.int/report/zambia/unhcr-zambia-meheba-refugee-settlement-achievements-report-january-december-2021
世界難民の日のレポートでお届けしたように、柔道の訓練生もダンスパフォーマーの方々も、周りの観客もみんな陽気なアフリカ人という感じで、楽しく幸せそうに見えます。
しかし、1人1人の背景を聞いてみると、結構壮絶な人生を送っている人たちも多くいます。
今回は、柔道訓練生の2人に話を聞いてみました。インタービュー時の周りの音が大きすぎて言葉が聞き取れないため、こちらでメモした内容を載せています。
■青い柔道着の男の子 17歳
コンゴ民主共和国から逃げてきました。
内戦で両親が殺されてしまって、親戚も居なくなってしまったので、幼い弟と一緒に歩いて越境しザンビアのメヘバキャンプで保護されました。
ここに来て4年目です。夢はオリンピックに出場する事です。
■白い柔道着の大きな男の子 17歳
エチオピアの内戦から逃げるため、小さい車に乗り合わせて、ザンビアへやってきました。
自分の夢は、柔道のチャンピオンになる事です。
■2人で話してくれたこと
最後に言いたいことがあります。
身寄りもない自分たちのことを知ってくれて、また遠い国日本から、沢山の柔道着を寄付してくれて、本当にありがとうございます。言い表せないくらいの喜びを感じています。
頂いた柔道着を着て、一生懸命に稽古を頑張りますので、来年もぜひ、来てほしいです。
世界難民デーは多くの人が集まるお祭りなので、周辺のザンビア住民も多く集まっていました。食品などを売る人、何が行われているのかをただ見に来ている人々など、色々な方がいました。
メヘバの難民たちは、祖国を追われて逃げてきている人々なのですが、現在は国連とザンビアの保護下にあります。
非電化地域なので、学校など以外は、電気はありませんが、食べることや水などには困りません。
一方で、周辺のザンビア国民は、非電化はもちろん食料が乏しく飢えている人が多くいます。
特に今年は、雨が降らない数巡年に一度の干ばつの影響で、あまり食べていない人が多くいるようです。
おなかをすかせた子供たちが多くいて、お店で食べ物を買う人々を見つめている姿には、色々と考えさせられました。
炎天下の中、長い時間会場の真ん中で待機していた柔道訓練生たちに地元のアイス( 1つ 1クワチャ( 約6円 ) )のアイスを買った際にも、多くの子供たちが集まってきたため、全てのアイスを買い取って配布することになりました。
メヘバに来てみて、貧困問題にも色々な種類があることを知りました。
難民たちの教育や就職の問題、元難民と呼ばれる難民資格を失いザンビア人として生きている人々の問題、農村部の人々の生活・教育問題とさらに今年は干ばつの問題、都市部のスラム(ザンビアではコンパウンドと呼ぶ)の人々の教育・仕事の問題など、似ているようですが、それぞれの立ち位置で、それぞれの異なった問題を抱えています。
1人1人話を聞いて、少しづつそれぞれの抱える問題を理解することができました。
今回のザンビアの視察では、難民の自立問題と、コンパウンドの子供たちの自立問題に、向き合ってきました。
教育のため、生活のためのお金や物を支援することは、もちろんとても大切なのですが、特に思春期のこれから成長する子供たちにとって、自分たちが見捨てられていない事、誰かがサポートしてくれているんだという事を知ることが、彼らの大きなモチベーションになることを知りました。
日本の不用品を送る活動は、相手への支援の気持ちも一緒に込めることができます。
単発ではなく継続的な支援が大切です。
柔道やサッカーなどのスポーツ支援という側面と、文房具やタブレット、パソコンなどの教育支援という側面で、今後ともザンビアへの支援活動を継続していこうと思っています。
■ 関連リンク
>> 世界難民デー2024レポート ザンビア メヘバ難民キャンプ
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