海外への寄付品の出荷の際に、破損、水濡れ、盗難・紛失、関税など、どうしても避けられない問題がいくつかあります。
良くご質問を頂きますので、その点をご説明させて頂きます。
日本国内の宅配便、ゆうパックなどでしたら、かなり丁寧に発送して頂く事ができます。
割れやすいガラス製品などでしたら注意は必要ですが、それほど投げたり、落としたり、揺れたりの頻度が少ないため、形を維持したまま到着する事がほとんどだと思います。
海外への輸送の場合、船や飛行機自体の揺れ、特に船便の場合、天気の状況によりかなり揺れますので、大きく段ボールが凹んだり、破れたりすることも良くあります。また、残念な事ですが、作業する人の似扱いが悪く、投げたり、落としたりと雑に扱われることもあります。
その結果として、ピアニカ、縦笛などの通常は破損しないであろうものであっても、割れてしまう事もあります。
商品の破損に対応するために、特に古着などを緩衝材として使う事が多いです。ダンボールの下面、側面に、厚めに古着などを引いて、商品自体も古着で包むなどの工夫をしています。
段ボールが濡れてしまう。という事は、基本的にはないのですが、やはり空港や船からの積み下ろしの際や、現地での配達の際などに、似扱いが良くなくて、濡れてしまう可能性もあります。
少し濡れただけ。であっても、長旅だとカビが生えてしまったり、最悪の場合、中の品物が全部だめになる可能性もあります。
私たちは、その点に対策するために、業務用ラップで、段ボールをぐるぐる巻きにして水と空気を遮断しています。さらに、ラップが破けてしまう事を防ぐために、ラップで巻いた段ボールを、さらに段ボールで巻いて保護しています。最後の段ボールは、業務用の強いテープで何重にも巻いて、破損やゆがみを防げるように気を付けて梱包しています。
段ボールをあまり使うと、重量と体積が増えてしまいますので、業務用ラップと梱包テープでの補強は、軽くて強いため、重宝しています。
盗難と紛失は、見分けがつきません。
ただ単に、6個送った荷物が、4個しか到着しませんでした。という報告がくるだけの場合が多いです。間に、複数の事業者が絡んでいると、誰の責任かも、どこで無くなったのかも、はっきりしません。
残念な事ではありますが、豊かで平和な日本と違い、海外では日常茶飯事のように商品の紛失・盗難は起こりえます。
根本的な対策は、あまりないのですが、私たちに最低限出来る工夫として、目立つように英語とイラストでラベルを張るようにしています。
そのためにセカンドライフでは、可愛い子供イラストのラベルを4面に貼っています。
これも難しい問題です。そもそも税金の額が明確ではなく、到着まで分からなかったり、前は税金なしで送れたのに今回は送れなかったり、という事も良くあります。
私たちにできる事として、お願いして大使館などの信頼性のある場所に送ったり、商売で送るのではなく「寄付品」であることを、英語ではっきりと記載したりしています。
それでも、事前に大丈夫だと安心できる訳ではありませんが、少しでも確立をあげるために、小さな改善を積み重ねています。
セカンドライフでは、世界各地への支援品として、色々な寄付品を、世界の様々な国に出荷しています。
船便や航空便で出荷する際の梱包方法に関して、よく質問を頂きますのでまとめてみました。
今後のスタッフ間の情報共有としても役立てていき、細かな改善を積み重ねて、できる限り商品が無事に届く確率が高まるように、努力していきます。
ここでは、2023年11月に梱包したサッカー用品の梱包についてまとめています。今回は、サッカーシューズ(スパイク)、サッカーボール、靴下、ユニフォームなどを出荷するために梱包しました。
寄付品を海外へ送る際には、段ボールの中の寄付品と個数をきちんと把握する必要があります。そのために、まず写真を撮影して、寄付品の内容と個数を記録します。
万一、税関などで聞かれた場合でも、正確に答える事ができるように準備しておく意味もあります。
また、手荷物での持ち込みボランティアの方に渡しておくことで、内容が把握しやすくなるためにも大切です。
また、インボイスなどに必要ですので、英語での表記も同時に確認しておきます。サッカーのシューズは、soccer shoesだと通じますが、spike (スパイク)だと通じません。
soccer cleats, soccer shoes, football boots などであれば、海外で通じますので、今回は無難にsoccer shoesとしておきます。
寄付品として、気持ちを込めて送って頂いたものであっても、「もう使えない寄付品」は、取り除きます。
軽微なダメージで、修理したり、洗ったりしたら再利用できる寄付品であれば、クリーニングなどして送りますが、現地でも、使えずごみになるだろう。と判断したものは、廃棄させて頂きます。この作業は、現地でごみ問題を発生させないためにも大切です。
寄付品の中から、廃棄品はほとんど出ませんが、まれに出てきますので、寄付者の方には申し訳ない気持ちもございますが、きちんと廃棄させて頂いております。
サッカーシューズ同士がぶつかり合って破損するなどの事故を防止するために、歯と歯を向き合わせた上からユニフォームを巻いておきます。これを、しっかりと隙間なく箱に詰めて、下面と横面にも、ユニフォームや靴下を詰めておくことで、破損の可能性を下げる事ができます。
下記のことを意識しながら、丁寧に梱包していきます。
箱に寄付品を詰め終わったら、しっかりと業務用のテープで止めます。ガムテープなどでは弱いので、業務用テープをしっかりと1週以上巻きます。
上だけ、横だけの止め方だとテープの切れ目から、はがれる可能性がある為、「テープを一周以上巻くと、テープをテープが止める形になり、強度が増します。
さらにその上から、業務用ラップでぐるぐるに巻きます。これで、少々の雨水は防ぐことができますし、気密性も高まりますので、「水濡れ」「カビの増殖」などを、抑える事ができます。
最後に、さらに強度を高めるために、追加で段ボールに入れます。その上から、業務用テープを、先ほどと同じように、ぐるぐると巻きます。
これで、現時点で私たちが、安心できる梱包の完成です!
どれだけ丁寧に、梱包して発送準備をしていても、輸送担当者の方にとっては、他の荷物と同じ1つの荷物です。
残念ながら、特に海外では、紛失・盗難のリスクが高いです。
また、寄付先を明示していても、通常の商品輸入だと判断されて、関税を課される場合もあります。関税を課されると、支援品を送るコストが高くなり、送りづらくなります。
これらのリスクをゼロにすることはできないのですが、リスクをできる限り減らす。事はできます。
そのためにセカンドライフでは、写真のような可愛い子供イラストのラベルを4面に貼っています。
機内持ち込みによる輸送について説明します。
機内持ち込みは、飛行機による輸送ですので、時間が短く届く事が特徴です。
飛行機会社や路線によって値段は様々ですが、追加荷物にしてしまうととても高くなる傾向がありますので、事前に打ち合わせを行ったうえで、無料または安く機内に持ち込めるプランを用意した上で機内荷物を用意します。
持ち込みやすく、移動しやすいように、スーツケースやボストンバッグなどを用意し、その中に支援品を丁寧に入れたものを用意しています。
送り先も、搭乗者の方の自宅であったり、直接に空港に預けたりと、最も良い方法を考えて対応しています。
機内に持ち込めるサイズのスーツケースやボストンバッグを準備します。
重量や乗り継ぎの有無、中に入れるものなどによって、持ち込み可否や料金に影響しますので、事前に航空会社のプランなどを良く確認して頂いた上で、持ち込むサイズ・重量を決めていきます。
できるだけ持ち運びしやすく破損しにくいように、考えて運搬するバッグを選びます。
商品を準備したり、お写真を撮影するところまでは、サッカー用品の梱包事例と全く同じです。
どのような商品であっても、輸送時の向き、揺れの具合などを予想して、破損が生じないように注意しながら梱包を行います。
マレーシアの場合は、現地の日本の子供たちへの支援品として絵本を多く送りましたので、スーツケースの筐体と本が直接触れないように、サッカーのユニフォームを緩衝材として利用させて頂きました。ユニフォームは現地のサッカーチームで使って頂けるそうです。
機内持ち込みであっても、商品のお写真と明細の入った書類(インボイス)は必ず用意します。
1つの荷物につき1枚づつ用意しますので、複数個の荷物がある場合は、複数個のインボイスを用意します。
ぎっしりと詰めてから封をしますので、渡航ボランティアの方が、途中で開けなくてすむように、また、税関などで中身の確認を行う際に、明確に答えられるために書類を準備してお渡ししています。
手荷物での持ち込みの場合は、段ボール発送の際のようなラベルは貼らず、インボイスだけお渡ししています。
輸送ボランティアの方のご自宅に送る場合もありますし、便名をお聞きした上で1週間前くらいに到着するように、成田空港などに直接送る場合もあります。
ご自宅の場合は、確実に届く安心感がありますが、空港までの移動は少し大変になります。
空港預けの場合は移動は楽ですが、無事に受け取るまでは少し心配もあります。
輸送ボランティアの方と相談の上、良い方法を決めています。
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