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2024-09-23 更新

カンボジア プノンペンの川沿いには、多くの船上生活者(ボートピープル)がいます

No 181 カンボジア その2 プノンペンの水上スラム

カンボジアにはメコン川、トレンサップ側という大きな川があります。カンボジア王国の首都プノンペンは、この2つの大河が交わる地域にあります。

トレンサップ川を遡っていくと、世界遺産の遺跡で有名なアンコールワットの近くのトレンサップ湖という湖にたどり着きます。

一方で、合流した2つの川は、メコン川としてベトナムまで流れていき、南シナ海に流れ込んでいます。

メコン川のほとりは、肥沃な土地として、カンボジアもベトナムも漁業などを行う人々が多く存在します。

※メコン川下流の、海に近いベトナムのメコンデルタ地帯の小学校を訪れたレポートもあります。


プノンペン市内の川沿いにはボートの上で水上生活している人々がいます。チャム族というベトナム系の民族で、多くはイスラム教徒です。言い伝えでは、4000年前から、船を住居として魚を取る生活を行っているそうです。

プノンペン市内の川沿いや、トレンサップ湖などで、今も船上生活を行っていま,す。


生活は貧しく、物資は乏しく、家賃の無い(安い)場所に集団で住んでいるという点で、スラムという書き方をしましたが、他の大都市近郊のスラムとは成り立ちも全く異っており、珍しい例だと思います。

途上国などでは、農業・漁業従事者の貧困連鎖問題も良く見かけます。今までの農業・漁業では、家族を養えなくなり、一家のお父さんが首都や大都市に出稼ぎに行き、スラムで生活するという話はよく聞きます。プノンペンの水上生活では、その構造がそのままプノンペン市内で行われています。


カンボジアの首都プノンペンは、ここ数十年で著しい発展が進み、道路は舗装され、大きなホテルが立ち並ぶ大都会になりました。

新しい漁業の方法が出てきて、近隣の魚資源は乏しくなり、生活のための漁業の収穫はどんどん減っていきました。また、川には観光船が多く走り、川沿いには大きなホテルや綺麗な商業施設が増えて、彼らの生活できる場所はどんどん追いやられてきました。

それでも昔ながらの伝統に則って、多くの人が船上で生活しています。しかし、昔ながらの方法での漁業を行うやり方だけでは、生活ができません。そのため、食べ物を買うお金を得るために、路上で物売りをしたり、夜中の繁華街で小さい子供が物乞いをしたりする姿を見かけます。

若い世代は、親世代の生活がもう成り立たないことを知り、変わろうとしていますが、生まれた時から船上での生活で、十分な教育がなく、社会経験も乏しく、伝統に縛られている彼らは、なかなか変わることができません。

十分な教育を受けていないので、文字が読めない人も多く、話し言葉やマナーなども良くなく、都市部でのサービス業や安定した会社での就職には向きません。今日のご飯を食べるために、できることをやる。という毎日なので、先の事を考える余裕もありません。

寄付として、古着や食料を持っていっても、並んだり譲ったりすることができず、取り合いになりあちこちで喧嘩が始まります。親世代がそうなので、それを見ている子供世代にも同様の価値観が形成されていきます。

時間はかかりますが、まずは子供達の教育をきちんと行い、変わっていく世の中に対応できる知識と見識を持つことが大切だと感じます。

カンボジアで国際NGOとして、船上生活者の子供たちの支援のために無料の学校を運営しているYATAI SCHOOL さんは、この問題に正面から取り組んでおられます。

私たちは、YATAI SCHOOLを訪問し、子供たちの状況を拝見してきましたので、別のレポートでご報告いたします


■ 関連リンク

No 183 ベトナム その2 メコンデルタの小学校への移動





■ 関連リンク

>> Cambodia Report




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カンボジア その1 プノンペンのスラム街

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カンボジア プノンペンには、2つの大きな川が流れています

カンボジア プノンペンの4つ星ホテルのすぐ横には多くのボートピープルが住んでいます

カンボジア プノンペンの4つ星ホテルのすぐ横には多くのボートピープルが住んでいます

カンボジア プノンペンのスクールに通うボートピープルの人々

カンボジア ボートピープルの多くはイスラム教徒です

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